『西洋中世研究』第12号に投稿論文が掲載されました。
「呪詛ではなく祝福をーマンスフェルト伯家と家門修道院ヘルフタに見る13世紀末の紛争と和解ー」2020年、128-143頁
ヘルフタ修道院は神秘主義で有名なシトー会女子修道院です。この修道院で作成された証書集、キュリアクス・シュパンゲンベルクの年代記、神秘主義テクストの3つにあるマンスフェルト伯関連の記述を横断的に検証する、というわりと無謀な試みです。そのための具体的事例として、伯の一族によるある襲撃事件に焦点をあてました。
ヘルフタはあまりにも幻視で知られているため、浮世離れした女性たちの集団として描かれがちですが、なかなか手ごわいところもあります。今になって紛争解決研究?と思われる方もいるかもしれませんが、これによってパトロン家門と戦う女子修道院という、あまり知られることのなかった一面を知っていただけるとうれしいです。
ところで、今年は届くのがものすごく早くて驚きました。これから読みます。