Liber specialis lectionis

西洋中世の歴史、宗教、文化を中心とした読書日記

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『「聖女」の誕生ーテューリンゲンの聖エリーザベトの列聖と崇敬ー』の読み方

友人から「買ったけれど難しい」という感想をもらったので、聖エリーザベト紹介を中断して、この本の読み方を提案します。 この本は、私が中央大学に2012年に提出した博士論文「聖人伝と聖人崇敬から見る13世紀ーテューリンゲンの聖エリーザベトをめぐってー…

テューリンゲンの聖エリーザベト紹介(4):ヴァルトブルク城前編

テューリンゲンの聖エリーザベトについて。今日はヴァルトブルク城です。 1999年に世界遺産に登録されたヴァルトブルクはテューリンゲン州アイゼナハにある山城で、当時、テューリンゲン方伯だったルドヴィング家の居城として11世紀頃に建てられました。現在…

テューリンゲンの聖エリーザベト紹介(3):マールブルク

テューリンゲンの聖エリーザベト紹介、続きます。今回はヘッセン州マールブルクです。「聖エリーザベト」というと、この都市が最も有名です。1228年頃から聖エリーザベトが施療院を設立して暮らしていました。聖人の善行として有名な病人の看護や貧者の世話…

テューリンゲンの聖エリーザベト紹介(2):テューリンゲン?ハンガリー?

「テューリンゲンの聖エリーザベト」紹介第2弾です。 ヨーロッパ中世は基本的に名字というものがありません。名字があるのは王家や貴族のごく少数派です。その人たちも、もとをたどれば同じ名前を代々使っているところから派生した名字だったりします(たと…

テューリンゲンの聖エリーザベト紹介(1):エリーザベト?エリザベート?

拙著『「聖女」の誕生ーテューリンゲンの聖エリーザベトの列聖と崇敬ー』の出版が近づいているので、その前に「テューリンゲンの聖エリーザベト」にまつわるあれこれを簡単に紹介したいと思います。初回は名前についてです。 「エリーザベト」のアルファベッ…